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semスキン用のアイコン01 千曲市雨宮の御神事 2014 semスキン用のアイコン02

  

2014年 04月 29日

 2014年4月29日、3年に一度行われる千曲市の雨宮の御神事があった。前回の2011年は東日本大震災のために中止となり、実に6年振りの祭りとなった。
 ここの祭りは古い歴史があり、独特な扮装の獅子踊り、怪奇な面を着けた踊り手、そして田楽を感じさせる鍬の役、風流系の太鼓踊りなど、様々な要素が複合化された感じである。しかも三拍子と呼ばれる笛、太鼓、御歌にのって、シンメトリカルに位置した場所で、同時に別々の振りによる踊りが繰り広げられる。何とも風雅なものである。

 祭りは雨宮坐日吉(あめのみやにいますひえ)神社を中心に行われる。予報通り、天気は曇り空。しかし、時折太陽も見え隠れ。
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 この祭りで重要な役となるのが御行事(おんぎょうじ)だ。踊りのメンバーを率いて登場するその姿は威厳に満ちている。地区内を触れ回る町太鼓に迎えられるように、御行事宅から鳥居前まで進み、踊り手の集合を待つ。
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 鳥居前で御行事が「呼び上げ」をすると、境内に進み、やがて猿田彦面を着け、高歯の下駄をはき、「練り込み」となる。
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 独特な足の踏み方は何なのだろう。足を大きく上げ、左右に広げるようにのっしのっしと進んでいく。「かつては一本歯だったな」と地元の人は言う。何年前のことだろう。お祭りは変化がつきものだ。

 拝殿前で整列し、いよいよ踊りになる。神社前では「朝踊り」と「城踊り」が行われる。
 
 太鼓踊りは、伴奏としての太鼓だけではなく、華麗な踊りを見せてくれる。
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 御鍬は、もっとも田楽芸らしい踊りで、農耕儀礼らしさを感じさせる。
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  中程には「中踊り」「児踊り」といった子どもの踊りがつく。何とも可愛らしい稚児の舞だ。
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 周りには何とも独特な面を着けた六大神が小鼓をもって踊る。
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 そして、雨宮の最大の特色である獅子。2頭の陽獅子、1頭の陰獅子、1頭の宝珠獅子の計4頭が、四隅で踊る。
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 神社で二座の踊りが終わると、踊り手は若宮社へ移動する。その後、若宮での踊り、北町、御旅所で踊られる。ちなみに移動時は「雲場」という曲が奏される。
 
 一方、神社では神輿の出発に先立って神事があり、お慶びのお盃があがり、武者が出る。
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 こうして地区内を移動した後、再び鳥居前に戻り、再び「呼び上げ」があり、「御立ち会い」となって、獅子に貼られた紙を取り合う「化粧落とし」が行われる。
 この頃から雨がかなり降ってきた。なかなかきびしいコンディションになっていく。
 
 そして時刻は18:00をまわる。この祭りでの最大の見せ場、「橋がかり」だ。場所は生仁川にかかる斎場橋の上に踊り手が進んでいく。橋の上では踊りがあるのだが、“遠江 浜名の橋の下行けば”という歌詞になると、4頭の獅子が宙づりになって、橋の欄干から川面へ下りていく。
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 そして、身をよじるように水面をかく。何とも勇壮なシーンだ。
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 見物客も、早い時間から場所取りをして待っていた。今年はあいにくの雨模様になってしまったが、それを忘れさせてくれるような感動的なシーンだ。
 
 そして最後の神社、橋から山手に向かう位置にある唐崎社へ行き、「山踊り」という踊りになる。化粧落としの後、水面をかいた獅子によって踊られる。
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 こうして、御神事踊りが終わるのだ。

 唐崎社を下りて、再び「雲場」の曲で、祭列は日吉神社まで還御する。鳥居前では「御立ち会い」に行ってから境内へ行っていく。境内では、太鼓の早打ちの合図で、駆け足で3周をする。
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 こうして、それぞれの役ごとに拝殿で礼拝し、すべて終了となる。

 なかなか大がかりな祭りだ。しかし準備から祭りの後まで、とても丁寧である。雨宮の人々の意気込みが素晴らしいひとときであった。






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by hamadasensho | 2014-04-29 23:59 | 北信濃のまつり | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 【情報】塩野神社甲子中間祭 semスキン用のアイコン02

  

2014年 04月 24日

 上田市西前山にある式内社・塩野神社の甲子(きのえね)中間祭が、5月11日(日)に開催されるとの情報を得た。
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 これは60年に1度に行われる「甲子大祭」があるのだが、その中間の30年で行われるものだ。
 
 演じられる芸能としては「東前山三頭獅子」「ささら踊り」「西前山のお囃子」「塩田新町太々神楽」等だ。
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 風流系芸能として知られる三頭獅子が塩田地区には多いが、中でもこの東前山の獅子は、何とも古風な印象がある。龍頭と思われる獅子頭、素朴な装束、また天狗も当地域では珍しい烏天狗が大団扇をもって登場する。

 前回の甲子大祭は30年前。わたくし、実は見学している。ああ…あれから30年も経つのか!?そして、次回の大祭は見られるのかな?
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by hamadasensho | 2014-04-24 23:08 | 民俗芸能情報 | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 糸魚川市一の宮天津神社舞楽 2014 semスキン用のアイコン02

  

2014年 04月 11日

 越後・頸城の三大舞楽とも言われる糸魚川市一の宮天津神社の舞楽を訪ねた。昨年に引き続き、2年連続だ。例年、4月10日が「けんか祭り」と呼ばれる本祭。舞楽は10日と11日の、それぞれ13:00より演じられている。
 去年は2日目の11日に来てみたが、雨に降られたため、今年こそは?と期待しての再訪。今年は、10日の天気が悪く、午前中の神輿渡御は行われたものの、1日目の午後の舞楽は中止になったのだとか。
 今日、11日はとてもいいお天気。しかも桜も咲き始め、大変気持ちのいいコンディションだ。
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 さて、まずは「鉾振」から。
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 稚児の2人舞。中央の左方、右方の舞をよく取り入れている。
 続いて、「安摩」。
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 これは、滑稽な感じの舞だ。小さい子が、身体に似合わない大きさの面を着けて舞う。お隣りの能生白山神社舞楽の「童羅利」と似ていると言われている。ぴょんと跳ねるところが確かに似た印象だ。
 続いて「鶏冠」。
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 稚児4人舞。「胡蝶」のような華やかな舞。羽根を着け、花を持ち、きらびやかに舞う。
 そして「抜頭」。
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 勇壮な感じの舞。本当は、天津神社独自の面があるのだが、今回は中央の一般的な面であった。
 その次は「破魔弓」の舞。
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 弓矢を持った稚児の4人舞。
 続いて「児納蘇利」。
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 稚児2人舞。能面風な不思議な雰囲気の面をつけたもの。後の「納蘇利」と対応する子どもの舞のようだ。
 その次は「能抜頭」。
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 「抜頭」とは異なる舞。同じものは能生白山神社にもある。違いは何なのだろう。独特な白い面をつけて舞う。
 そして「華籠」の舞。
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 稚児4人舞。仏教行事の散華を思わせる舞。富山県黒部市の明日の稚児舞にも似た雰囲気である。
 続いて、「大納蘇利」。
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 双龍の舞とも呼ばれる大人の2人舞。いわゆる「納曽利」の舞だが、ここの面は青い面が特徴的。
 そして「太平楽」。
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 これも稚児の4人舞。地方の舞楽にはよく見られ、能生でも「泰平楽」がある。鉾や太刀の舞がある。
 そして4人の内、2人がすぐ登場する「久宝楽」。
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 これは楯と太刀を持つ勇壮なもの。
 そして最後の舞「陵王」。
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 地方舞楽にはほとんど取り入れられている舞。面の雰囲気から「龍王」などと呼ばれ、雨乞いの神様になる場合が多い。
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 ゆったりとした舞の中にもジャンプする所作がある。ダイナミックな動きだ。
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 最後の舞だけに、観客も舞台を取り囲む。そして「まだまだ!」という声援が飛ぶ。徐々に楽舎に入ると、楽人の法螺貝が鳴り、舞楽が終わる。

 天津神社の舞楽、装束や面が1日目と2日目と異なる演目がある。2日目に古い装束を着ることが多く、2日目に訪ねるファンも多い。今回は、1日目の舞楽が中止になったためか、新しい方の装束の印象であった。新しいと言っても、地方の神社に伝承される舞楽だけに、その独特な雰囲気は保たれている。

 春を呼ぶ祭りとして糸魚川では大事にされてきた舞楽が今年も終わった。


 
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by hamadasensho | 2014-04-11 22:37 | 新潟のまつり | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 親沢諏訪大明神の春祭~親沢人形式三番 2014 semスキン用のアイコン02

  

2014年 04月 07日

 かつて4月3日に行われていた親沢諏訪大明神の春祭、現在は4月第一日曜日になった。川平の鹿舞が終わると、今度は西舞台で演じられる。

 この式三番は、中央の「能楽」の《翁》を人形によって演じるもの。《翁》の原型は「父尉」=釈尊、「翁」=文殊、「三番」=弥勒をかたどったものといい、登場人物は露払いとしての「千歳」、白い翁面をかける「翁」(白式尉)、素面で登場し、途中で黒い面をかける「三番叟」(黒式尉)の三役を、親沢では人形が担当する。

 親沢では千歳を「千代」、翁を「大明神」、三番叟を「丈」と呼び、他には更に笛、鼓、大皷の楽器担当、地謡などで構成されている。

 まず「大明神」=翁の登場だ。
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 そして面箱を持った、「千代」=千歳も登場する。
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 大明神と千代が対面する。
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 そして大明神は白い面を掛けるのである。
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 今日は雪。それを喜ぶような、生き生きとした動きをする。


 最後の段は丈が登場する。
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 若々しい雰囲気の動きである。
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 途中で、黒式尉の面をかけ、三番叟らしい激しい動きになっていく。独特な鳴り物のリズムに乗って、だんだんと高まっていき、舞台から乗り出すような決めのポーズで長い舞台を終えるのである。
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 親沢では決められた役を7年間つとめるという伝承方法をとっている。7年過ぎると「おじっつぁ」と呼ばれる親方となり、後進の指導にあたり、その稽古もかなり厳格に行われておられる。今年は5年目だというような声が聞こえた。あと2年経つと、今の役者が交替となるのだ。

 こうした厳格な伝承が、200年の伝統を築いてきたのである。

 
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by hamadasensho | 2014-04-07 23:18 | 東信濃のまつり | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 親沢諏訪大明神の春祭~川平鹿舞 2014 semスキン用のアイコン02

  

2014年 04月 06日

 かつて4月3日に行われていた長野県南佐久郡小海町親沢の諏訪大明神の春祭。現在では4月第一日曜日に行われている。ここでは川平の鹿舞と親沢の人形式三番が演じられてきた。今年、久しぶりに出かけてきた。

 寒い。低気圧の影響で、雪降りの春祭だ。何年か前に訪ねたときも雪の日があったが、春まだ浅い山村らしい風景である。
 午後0:30、まず川平の獅子の行列が鳥居をくぐって石段を上がってくる。
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 続いて親沢の式三番の行列が上ってくる。
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 それぞれ拝殿で拝礼、御神酒をいただく。

 そして神官による修祓があり、それが終わると、午後1:30頃から東舞台で、川平の鹿舞が演じられる。本日の演目は、(1)内神楽、(2)ぎんにゃく、(3)すり拍子、(4)天五拍子、(5)女獅子つるぎ の5つ。これを先幕という。

 
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 獅子の役は、先獅子(男獅子)、中獅子(女獅子)、後獅子(男獅子)。典型的な関東獅子といった感じ。群馬・上野村からの伝承だという。

 その他、幣負い1人、ササラ2人。
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 幣負いは、最初軍配をもつ。これは日月と北斗七星が描かれている。天体が見られるのは妙見信仰との関連だろうか。

 ここのササラは珍しい。80cmくらいの竹を切り、中央部に刻みを入れる。
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 6人で躍動的に舞う。獅子は猪型というのか、竜頭というのか、いわゆる太神楽系の獅子頭とは異なる。
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 西日本の太鼓踊りらしく、獅子が腰の太鼓をしっかりと打ちながら舞う。
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 かつて4月3日に祭りを行っていたときは、先幕をこの日に舞い、翌日の4日に川平公民館で後幕を舞う。演目は、(1)女獅子がかり、(2)満利がかり、(3)棹がかり、(4)幣がかり、(5)比良つるぎ だ。自分が初めて見たときには(5)比良つるぎ は演じられなかった。
 現在では、後先が逆となり、第一日曜日の祭りの前日の土曜日に演じているという。日程の変更後、こちらは訪ねたことがない。

 また訪ねてみたい。 
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by hamadasensho | 2014-04-06 22:28 | 東信濃のまつり | Comments(0)